11月27日

11月27日

 

祖父の五十日祭。

お墓の下に本当に遺骨が入ってるということを初めて知った。

あんな所で冷たくないのかな、それが率直な感想で、本当に祖父がどこか遠くに行ってしまったような気分だった。

出てこられないように閉じ込めてしまったような、とても悪いことをしたような、お墓の下のあの暗くて狭い空間のような気分だった。

 

両親には本当に会えただろうか。かつてこの家で一緒に暮らした犬や鳥や魚や虫たちとは本当に会えただろうか。私達のことは見えているだろうか。大好きだった庭いじりは、今もできているだろうか。あの世と呼ばれる場所に、大好きな草木、鋏、家、小説、車、映画、今までの暮らしは、あるのだろうか。

体が不自由なまま亡くなったけれど、治っていて歩けているだろうか。走れているだろうか。ストレッチはできているだろうか。

 

夜中、寝室で啜り泣きが聞こえる。

誰のものか分からないが、誰のものでも同じだと思った。

 

お墓は遠くにある。