11月1日
久しぶりに雨が降った。
祖父が亡くなった日には降らなかった雨が。
「空が泣いている」とか「鼠色の分厚い雲は僕まで飲み込もうとしているようで」とかそんな悲愴的な雨ではなく、ただ、ぱらぱらと、現象としての雨だった。
遡ると10月12日、祖父が亡くなった。
その日は曇りで、湿度はそれほど高くなく、さっぱりとした朝だったのを覚えている。
川の傍では、亀と鳥が仲良く並んでちょっと休憩なんかをしていて、祖父が亡くなったという事実が無ければ、なんて平和な日なんだろう、そう思った。
私と祖父は永遠に会えない。
会いたくて、今日も布団で泣く。
雨雲は次の人を探しに行く。